自律協生スタジオ

Convivi プロジェクト報告 No.1

自律協生スタジオでは、プロジェクトの現在地を記述し伝えていくための「Convivi 」プロジェクト報告、第1弾はコンヴィヴィ・ラボの取り組みについて紹介する。

コンヴィヴィラボは市ヶ谷での企業を集めた研究会である。現場で得た知見を企業のメンバーと共有しつつ、企業の現場にも応用可能な自律協生のデザインのあり方を共に考えている。この研究会は無償で参加できる開かれた場であり、学生も参加している。学生と企業メンバーが懇親し、関係を深めつつ、共に議論する希有な場である。

今回は、7月に開催されたコンヴィヴィラボの様子をお届けする。ゲストは旭化成ホームズ株式会社くらしノーベーション研究所・LONGLIFE研究所の河合慎一郎さん。コンヴィヴィラボ立ち上げ当初から研究会に参加いただいている。これまでは研究会メンバー外からゲストを読んできていたが、今回からは研究会内のメンバーにもゲストとして登壇いただく初回であった。

河合さんには、旭化成ホームズが取り組んできた事業のうち、二世帯住宅と子育て共感賃貸住宅 へーベルメゾン「BORIKI」を紹介いただいた。この2つは暮らし方や空間の共有方法の変化を物語っている。二世帯住宅のコンセプトはナイスセパレートとコラボレートあった。2つの世帯がご機嫌に暮らすことができる暮しのわけ方と共有方法を研究所として探究していた。現在でも二世帯住宅に住まれている方へ定期的に調査を行い、定点観察をされている。いっぽうで、子育て共感賃貸住宅 へーベルメゾン「BORIKI」は、子育て世代が主な入居者であり、コンセプトはナイスシェアである。暮らしや空間の一部をシェアすること、入居者同士の交流が生まれるような仕掛けを積極的に行っている。

河合さんの発表後は、質疑が絶えることなく、1時間近くディスカッションが続いた。今後、住宅のデザインとして地域の景観にどのような調和を目指していくのか、地域や公共との連携について、公共性・社会性と事業性とのバランスなど、企業の枠をはみだし、ときに河合さん個人の価値観を問うような本質的な議論が展開された。

河合さんとしては今後、企業として社会にそして顧客に価値提供を行っていくために、社外の仲間づくりが欠かせないと考えている。それがコンヴィヴィラボへの参加のきっかけであり、継続して参加している理由であると締めの一言で述べていただいた。

ラボ終了後は、武蔵野美術大学の学生が中心となり企画された宴が開催された。前回から学生が考案し、設置された「ぶっこみ箱」。参加者がおすすめ品の飲み物、野菜、お菓子などを持ち寄った。

みんなで作り上げる、お金以外の形でもそれぞれの “できる” を持ち寄れる場であることがコンヴィヴィラボの面白さであり、この仕掛け自体もムサビの学生の創意工夫によって解を重ねるごとに面白くなっていくはずである。