
2025.05.02
特別講座「本をつくる意味: 誰かと世界を共有して、未来に知見を残すのか?」
現代社会において、情報技術の進展とともに、私たちの言語活動や表現行為はかつてない速度で変容しています。 誰もが容易に発信者となり、瞬間的に世界中へ情報を届けることができる一方で、情報の一過性や消費性が問題 視されるようになりました。このような状況において、あえて「本をつくる」という行為に、いかなる意味を見出すこと ができるのでしょうか。本というメディアは、単なる情報伝達の手段ではありません。そこには、思考を深め、時間を かけて言葉を紡ぎ、他者とつながろうとする営みが内在しています。本をつくることは、「誰かと世界を共有し、過去 と未来を結び、未来に知見を残す試み」であるのかもしれません。
本イベントでは、本づくりに取り組む実践者を招き、「本をつくる意味」について多角的に考察します。最初に、岩嵜 博論氏(武蔵野美術大学)よりイントロダクションを行い、続いて、4 月に書籍『見えないものをみる視点』を出版さ れた上平崇仁氏(立命館大学)から、執筆の意図についてお話しいただきます。さらに、出版を通じて人々の活動 を支援している studioTRUE の松岡大雅氏と寺内玲氏には、出版に対する思いを語っていただきます。また、2 年 前に X デザイン出版を立ち上げ「Community based Publishing」という視点で活動している山﨑和彦氏(X デザイン 研究所)からも、その活動についてご紹介いただきます。最後に、講師と参加者との対話を通じて、「本の可能性」 について共に探求していきます。
- 日時
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2025 年 6 月 13 日(金)18:30-20:30(18:00 開場)
- 会場参加
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武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 5 階 定員 60 名(先着順)
東京都新宿区市谷田町 1-4(JR 中央・総武線「市ケ谷」駅より徒歩 3 分 東京メトロ有楽町線・南北線「市ケ谷」 駅 4 番出口より徒歩 3 分 都営新宿線「市ヶ谷」駅 4 番出口より徒歩 3 分)
以下のリンクよりお申し込みください
特別講座「本をつくる意味: 誰かと世界を共有して、未来に知見を残すのか?」
- オンライン参加
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zoom によるオンライン参加も可能です(18:55 から配信)
※オンライン参加の URL は、イベント日までにお申し込みの皆様に peatix のメッセージでご連絡いたします。
- 主催
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武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
- 共催
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X デザイン研究所
- 協力
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日本デザイン学会 ID 部会
- 参加費
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無料
- プログラム
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18:00-18:30 交流タイム(名刺交換などにも活用ください)
18:30-18:40 イントロダクション:岩嵜博論(武蔵野美術大学)
18:40-19:10 「見えないものをみる視点、の出版」
上平崇仁(立命館大学)
19:10-19:40 「Print on Praxis —活動のための/としての出版」
松岡大雅(studioTRUE)、寺内玲(studioTRUE)
19:40-20:10 「コミュニティで出版を目指す」
山﨑和彦(武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所/ X デザイン研究所)
20:10-20:30 ディスカッション「本の可能性」について
上平崇仁(立命館大学) 松岡大雅(studioTRUE)
寺内玲(studioTRUE) 山﨑和彦(武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所/ X デザイン研究所)
- こんな方にお勧め
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・これからの「本の役割や意味」や「本をつくる」ことに興味ある方
・研究者、教育者、リサーチャーなどで知見を出版することに興味ある方
・ビジネス実践者がプロフェッショナルのための出版に興味ある方
・市民、地域、社会のための出版やメディアに興味ある方
・本や書店が好きな人
- 講師プロフィール
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岩嵜博論(武蔵野美術大学)
武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科 教授。リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂 においてマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。 2021 年より武蔵野美術 大学クリエイティブイノベーション学科に着任し、ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育 活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行っている。
上平崇仁(立命館大学)
立命館大学教授。武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所客員研究員。グラフィックデザイナーを経て、 2000 年から情報デザインの教育・研究に従事。近年は社会性への視点を強め、デザイナーだけでは手に負えな い複雑な問題を人々の相互作用の中で創造的に解決していくための CoDesign(協働のデザイン)の仕組みづくりに ついて取り組んでいる。2015-16 にはコペンハーゲン IT 大学客員研究員として、北欧流参加型デザインの調査 研究に従事。著書に『コ・デザインーデザインすることをみんなの手に 』(NTT 出版)、『見えないものをみる視点 』 (X デザイン出版)などがある。
松岡大雅(studioTRUE)
studioTRUE 共同代表。慶應義塾大学、同大学大学院でデザイン・建築について学ぶ。制作における転用や修理 に関する実践と研究を行う。『HUMARIZINE』ではエディトリアルデザインを担当。2021 年より、寺内とともにデザイ ン事務所 studioTRUE を創業。本のデザイン、展覧会の会場構成、ワークショップの設計など、幅広い領域でデザ インの実践を行う。
寺内玲(studioTRUE)
tudioTRUE 共同代表。京都工芸繊維大学博士後期課程在籍。慶應義塾大学で建築・都市デザインを学び、IAAC (バルセロナ)修士課程でサーキュラーデザインについて実践と研究を行う。2019 年より自費出版誌 『HUMARIZINE』を毎年刊行する。市民参加やまちづくりに関する実践と研究を行うと同時に、出版活動にも力を入れている。慶應義塾大学にて「SBC 入門(出版)」という授業を担当。
山﨑和彦(武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所/ X デザイン研究所)
武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所特別研究員、(株)X デザイン研究所共同創業者/CDO、 Smile Experience Design Studio 代表。京都工芸繊維大学卒業後、クリナップ(株)、(株)日本 IBM にてプロダクト、ソフトウ ェア、サービス等のデザインとコンサルティング担当、日本 IBM UX デザインセ ンター長(技術理事)、千葉工業大 学デザイン科学科/知能メディア工学科教授、武蔵野美術大学教授を経て現職。神戸芸術工科大学博士(芸術工 学)号授与、東京大学新領域創成科学研究科博士課程満期退学。グッドデザイン賞選定委員、日本インダストリア ルデザイン協会理事、日本デザイン学会理事 を歴任。主著に『うれしい体験のデザイン 』(X デザイン出版)等。