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2024.09.14

特別講座「プロジェッティスタの控えめな創造力」

第二次世界大戦時のイタリアでは、企業家が新しい製品を開発・生産していきました。新しい商品を開 発するには、建築家のように、社会、使う人そして技術を知って設計をできる人が必要でした。イタリア ではデザインのことを「プロジェット」と呼んでいました。 プロジェットとは、生活や環境をよくするために 提案すること。プロジェットをする人は「プロジェッティスタ」と呼ばれました。プロジェッティスタは、社会 や政治、経済、文化など、さまざまな領域に対して批判的な精神を持ち、それを何とかよくしようとした のです。一人ではなく、多様な専門家と協力して、さまざまな要素を考慮しながら、人間の生活環境を よくするための活動をしていたのです

このプロジェッティスタに詳しい、ローマ在住の批評家・多木陽介氏より今年 5 月に『失われた創造力 へ: ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリの言葉』が出版されました。本書は プロジェッティスタであるデザイン界の巨匠の言葉に、これからの創造力を導く思想を探る書籍です。ま た、今年 10 月にも多木陽介氏よりプロジェッティスタに関する新しいの本の出版も予定されています。

本イベントは、いつもはローマ在住の多木陽介氏が日本でリアルに実施する貴重な機会です。講演だ けでなくワークショップを体験することにより控えめな創造力の理解を深めます。クリエイティビティや創 造性に関心をおもちのみなさま、とても楽しい会になると思いますので、ぜひご参加ください。

日時
2024 年 10月25日(金)18:30-20:30(18:00 開場)
会場参加
武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 5 階 定員 60 名(先着順)
オンライン参加
zoom によるオンライン参加も可能です(18:25 から配信)
お申し込み
Peatixよりお申し込みください
特別講座「プロジェッティスタの控えめな創造力」
参加費
一般2000円、学生は無料(いずれも Peatix 事前申込が必要)
主催
武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
共催
X デザイン研究所
協力
日本デザイン学会 ID 部会
プログラム
18:00-18:30 交流タイム(名刺交換などにも活用してください)

18:30-18:40 イントロダクション
岩嵜博論(武蔵野美術大学)
山﨑和彦(武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所/ X デザイン研究所)

18:40-19:20 「控えめな創造力」講演
多木陽介(批評家、アーティスト)

19:20-20:20 「やることで理解するワークショップ」
多木陽介(批評家、アーティスト)

20:20-20:30 クロージング
山藤旅聞(新渡戸文化中学校・高等学校副校長 / (社)旅する学校代表)
上田壮一((社)シンク・ジ・アース理事/多摩美術大学客員教授)
山﨑和彦(武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所/ X デザイン研究所)

講師プロフィール
多木陽介
1988 年に渡伊、現在ローマ在住。演劇活動や写真を中心とした展覧会を各地で催す経験を経て、現 在は多様な次元の環境(自然環境、社会環境、精神環境)においてエコロジーを進める人々を扱った研究(「優しき生の耕人たち」)を展開。芸術活動、文化的主題の展覧会のキュレーション及びデザイン、また講演、そして執筆と、多様な方法で、生命をすべての中心においた、人間の活動の哲学を探究。著書に『アキッレ・カスティリオーニ―自由の探求としてのデザイン』(アクシス、2007 年)、『(不)可視の監獄―サミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社、2016 年)。『失われた創造力へ: ブルーノ・ムナーリ、 アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリの言葉』(どく社、2024 年)。など。

岩嵜博論
武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科 教授。リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂においてマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。 2021 年より武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任し、ストラテジックデザイン、ビジネ スデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行っている。

山藤旅聞
新渡戸文化中学校・高等学校副校長。公立高校の教師として、2014年にJICA東京主催「教師海外 研修」でブータン王国を訪問。帰国後、教科と社会課題をつなげて、生徒自らが解決に向けて「行動す る」ことを目指す授業スタイルを確立する。2017年から(一社)Think the Earthに所属し、SDGsを取り入れた教育デザインや、教育旅行デザインの実践・紹介について全国規模で出前授業や講演を展開。2019年より現職。共著に『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』(紀伊国屋書店、2018 年)がある。

上田壮一
90 年、東京大学大学院工学系研究科修了。広告代理店勤務、フリーランスを経て01 年、社会・環境 問題に対してクリエイティブなアプローチで取り組む非営利組織、一般社団法人 Think the Earth を設立。理事・プロデューサーとして 『百年の愚行』『1 秒の世界』『気候変動+2°C』『いきものがたり -生 物多様性 11 の話』『グリーンパワーブック 再生可能エネルギー入門』などのビジュアルブックを編集・ 制作し、全国の学校に届けてきた。2017年にSDGs for School プロジェクトを開始、2018年に書籍「未来を変える目標 SDGs アイデアブック」、2024年に「あおいほしのあおいうみ」を出版。

山﨑和彦
武蔵野美術大学ソーシャルクリエティブ研究所研究員、(株)Xデザイン研究所共同創業者/CDO、 Smile Experience Design Studio 代表。京都工芸繊維大学 卒業後、クリナップ(株)、(株)日本IBMに てプロダクト、ソフトウェア、サービス等のデザインとコンサル ティング担当、日本IBM UXデザインセンター長(技術理事)、千葉工業大学デザイン科学科/知能メ ディア工学科教授、武蔵野美術大学教授を経て現職。神戸芸術工科大学博士(芸術工学)号授与、東京大学新領域創成科学研究科博士課程満期退学。IBM社 Academy of Technology、グッドデザイン賞 選定委員、日本デザイン学会理事を歴任。主著に「うれしい体験のデザイン」等。