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2025.10.02

わたしの身体から、わたしたちの都市を感じ取る 開催

将来がますます見通しづらくなるなかで、わたしたちは明日どんな新しい課題と出くわすかも分からない。都市はいま、何を目指してつくられる/つくるべきなのだろう? グローバル経済のフィールドとして、不動産投機の手段として、途切れることのない消費の輪を結ぶために、社会実験を繰り返すために、維持管理のし易さを重視して、顔の見えないコミュニティのために、目的を失ったクリエイティビティのために、もしくは、私たちが信じられる何かを感じとることができる体験のために? 

耳をふさぎたくなるニュースや目を覆いたくなるAI動画が席捲するメディアの渦のなかで、私たちが本当に信じられるものは、急に秋めいてきた風や、新米の美味しさや、それぞれの人が持つ声とはなし方など、自らの身体で感じることのできる暮らしだけだ。

それでも私たちは都市に希望をよせ、都市を信頼することを求めている。そこで生きた人生を幸せだと思うために、わたしたちは都市の営みの一部になることが必要だ。それは、都市を大きく計画して、システムを組み換え、効率よくマネジメントすることに与することではない。私たちの暮らしそのものが都市をつくっていると感じることができれば、都市もそこでの人生ももっとよくなるはずだ。

本プログラムでは、都市の体験をデザインするアーバニストの石川由佳子さんと感性を開放する都市空間をつくる建築家の津川恵理さんをお招きして、身体感覚から都市を捉え、「わたし」と「わたしたち」をつなぐための営み(都市計画)を考えてみたいと思います。大学で学び、社会で働く忙しい人たちが、身体感覚で日常を取り戻し、都市を感じ取ることができるようになれば幸いです。

日時
2025年11月1日(土)18:30~20:30(18:00開場)
会場
武蔵野美術⼤学市ヶ⾕キャンパス 5階
主催
武蔵野美術⼤学ソーシャルクリエイティブ研究所
参加費
無料
お申し込み
Peatixよりお申し込みください
わたしの身体から、わたしたちの都市を感じ取る
プログラム
18:30-18:40 イントロダクション 武蔵野美術大学 岩嵜博論
18:40-19:10 講演「自分たちの手で、都市の暮らしをつくる」アーバン・エクスペリエンス・デザイナー / アーバニスト石川由佳子
19:10-19:40 講演「身体と世界をつなぐ創造」建築家/ALTEMY株式会社 津川恵理
19:40-20:30 パネルディスカッション 石川由佳子、津川恵理、武田重昭、岩嵜博論
登壇者プロフィール
石川由佳子
アーバン・エクスペリエンス・デザイナー (都市体験デザイナー)/ アーバニスト
「自分たちの手で、都市を使いこなす」ことをモットーに、国内外の様々な人生背景を持つ人たちと共に、市民参加型の都市体験のデザインを行う。都市体験のデザインスタジオ「一般 社団法人 for Cities」を立ち上げ。同社団法人、共同代表理事。場のデザインプロジェクトを、東京(三菱地所/Sony Park miniなど)、京都、神戸(神戸市 / KIITOなど)アムステルダム、カイロ、ホーチミン、チェンマイなど国内外の複数都市で手がける。まちとみどりとの関係性を再編集する街路樹のデータプラットフォーム「Dear Tree Project」主宰し、地域や行政と組んだまちのみどりの利活用を行う。みどりを取り巻く仕事 のこれからを考え創造していく一般社団法人ソーシャルグリーンデザイン協会理事。神田にコミュニティ拠点「watage」を立ち上げ、ユース世代のためのアーバンデザインスタジオとして活動を実施。リサーチ、企画、編集、教育プログラムの開発など、都市をテーマに行なう。 WIREDが選ぶ「リジェネラティブ・カンパニー・アワード2023」受賞。都市の中で、一番好きな瞬間は「帰り道」。


津川恵理
建築家/ALTEMY代表
2015年早稲田大学創造理工学術院建築学修了。2015-2018年組織設計事務所勤務。2018年より文化庁新進芸術家海外研修員としてDiller Scofidio+ Renfro (New York)勤務。神戸市主催さんきたアモーレ広場デザインコンペ最優秀賞受賞をきっかけに帰国し、ALTEMY設立。
主なプロジェクトに、サンキタ広場(2021)、Spectra-Pass@ポーラ美術館(2021)、まちの保育園 南青山(2024)、庭と織物--The Shades of Shadows@HOSOO GALLERY<織物共同開発/空間構成>(2024)、渋谷公園通りデザインコンペ2040最優秀賞(2024)
国土交通省都市景観大賞特別賞、土木学会デザイン賞優秀賞、東京藝術大学エメラルド賞、日本空間デザイン賞、グッドデザイン賞など受賞。
2020-23年東京藝術大学教育研究助手。現在、東京理科大学、法政大学、日本女子大学、東京電機大学院非常勤講師。


武田重昭
大阪公立大学大学院 農学研究科緑地計画学研究室 准教授
1975年生まれ。神戸市出身。UR都市機構および兵庫県立人と自然の博物館を経て現職。都市と暮らしを豊かにするランドスケープについての研究・教育に携わる。2024年度に在外研究でブリュッセル自由大学招聘教授としてブリュッセルで9か月を過ごす。共著書に「小さな空間から都市をプランニングする」(2019年・学芸出版社)など。

岩嵜博論
武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科 教授
リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂においてマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年より武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任し、ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ストラテジックデザイナーとしての実務を行っている。 イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了、京都大学経営管理大学院博士後期課程修了、博士(経営科学)。