ニュース

イベント

2025.08.29

Ichigaya Innovation Days 2025 ~参加型の未来~

武蔵野美術大学(所在地:東京都小平市、学長:樺山 祐和)が運営するソーシャルクリエイティブ研究所(以下「RCSC」)と株式会社日本総合研究所(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:内川 淳、以下「日本総研」)は、共同研究と実践の成果を発表する祭典「Ichigaya Innovation Days 2025~参加型の未来~」(以下「本イベント」/注1)を2025年11月28日(金)、29日(土)に武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで開催します。

2回目の開催となる今回は、「参加型の未来」と題し、価値共創のための参加のあり方を人・地域・組織の観点から探究する多様な研究・実践活動について、トークセッションや展示、ワークショップを通じて紹介します。

【概要】
■日程:
2025年11月28日(金)10:00-20:00 (終了後に懇親会を実施予定です)
2025年11月29日(土)10:00-19:30
■会場:武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区市谷田町1-4)
■参加費:無料(初日の懇親会は別途会費をいただきます)
■参加方法:どなたでも参加可能です。スムーズな入館のため、下記Peatixより事前申込をお願いいたします。
URL:https://peatix.com/event/4544104
■主催:武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
■共催:株式会社日本総合研究所

【本イベントの内容】
デザインの力を使ってさまざまな課題の解決を行う方法の探究を続けてきた武蔵野美術大学と、シンクタンクとして社会課題の解決の実践に取り組んできた日本総研が共創し、2022年に共同研究拠点「自律協生スタジオ」を武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスに開設しました。本イベントでは、武蔵野美術大学と日本総研それぞれの社会価値共創への取り組みに加えて、「自律協生社会の実現」を目指す両者の共同研究・実践に基づいた成果報告も行います。
今年のテーマ「参加型の未来」に沿った基調講演や、各研究成果を発表する展覧会やトークセッションなどキャンパス内の各フロアに多彩に展開する予定です。

1.多彩な研究成果を発表する展覧会(2F)

RCSCと日本総研の共同研究の成果や、RCSC単独の研究成果を展示します。美術大学の強みである創造的な構想力と、シンクタンクの強みである論理的な構想力とが融合することで生まれた、ユニークな展示を行います。

研究テーマ

●自律協生の地域づくりとローカルコレクティブの研究
若杉 浩一(RCSC)×井上 岳一(日本総研)

●学びのデザインプロジェクト
北海道大学×北海道教育大学×長谷川 敦士(RCSC)

●子どもとプライバシーのスペキュレーション
長谷川 敦士(RCSC)×若目田 光生(日本総研)

●ディスレクシアのためのMy Typeプロジェクト
株式会社モリサワ×株式会社コンセント×東京科学大学×長谷川 敦士(RCSC)

●つづくつながる未来のデザイン
岩嵜 博論(RCSC)×市岡 敦子(日本総研)×今泉 翔一朗(日本総研)×段野 孝一郎(日本総研)

●未来創発・未来対話を核にした市民参加・市民エンパワーメントのデザイン
岩嵜 博論(RCSC)×今泉 翔一朗(日本総研)×藤本 一輝(日本総研)

●自然共生のための対話の場をデザインする
株式会社フロンティアコンサルティング執行役員・デザイン部長 稲田晋司、他×武蔵野美術大学空間演出デザイン学科 五十嵐 久枝×丸山 幸伸(RCSC)

●対話を促進するメディアのデザイン
株式会社IHI 技術開発本部 技術企画部 技術広報グループアシスタントマネージャー 水谷 拳×丸山 幸伸(RCSC)

 

2.有識者やパートナーを交えたトークセッション(5F)

「参加型の未来」をテーマに、多彩なゲストも交えてトークセッションを行います。教育、福祉、まちづくりなどの分野を例に、「参加型」の未来を拓く“参加のデザイン”を考えます。

【基調講演】
両日共に様々トークセッションを行いますが、トークセッションに先立ち、「参加型の未来」というテーマを考えるにふさわしい外部ゲストを招いての基調講演を行います。

【11月28日(金)】

●基調講演「まだ見ぬ才能や声との出会いを促す参加のデザイン」&パネルディスカッション
13:00-14:30
ゲスト:高濱 正伸(花まる学習会代表/NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長)
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年「花まる学習会」を設立、会員数は23年目で20,000人を超す。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。算数オリンピック作問委員。
武蔵野美術大学客員教授。環太平洋大学(IPU)客員教授。
日本棋院顧問。ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー。「情熱大陸」などTV出演多数。

木村 篤信(地域創生Coデザイン研究所ポリフォニックパートナー/一般社団法人日本リビングラボネットワーク代表理事/東京理科大学客員准教授)
「どんな人でも可能性が引き出され、心がどんどん自由になってゆく」そんな社会の実現をめざして、地域現場での市民協働の実践や自治体ウェルビーイング政策の伴走、企業との協働に取り組んでいる。人が客体化されやすい現代日本の政策、組織規範、ビジネスなどを変えていくためには、産官学民がセクターを超えて共創(リビングラボ)して、自分たちで都市/地域をつくるアプローチが必要だと考えている。主な書籍に、『2030年の情報通信技術生活者の未来像』『はじめてのリビングラボ』など。

パネルディスカッション
若杉 浩一(RCSC)× 長谷川 敦士(RCSC)× 井上 岳一(日本総研)

●Convivial Design Forum(自律協生スタジオ成果報告)
15:00-16:30
・子どもとプライバシーを巡るスペキュレーション
石井 夏生利(中央大学)×朱 喜哲(大阪大学)×長谷川 敦士(RCSC)×若目田 光生(日本総研)
・未来創発・未来対話を核にした市民参加・市民エンパワーメントのデザイン
岩嵜 博論(RCSC)×八幡 晃久(日本総研)

●連携研究報告(日本総研×NTT東日本 地域循環型ミライ研究所)
17:00-18:00
雪のナラティブのデザイン
宇野 咲耶子・田中 健人(NTT東日本)×野田 賢二・山本 尚毅(日本総研)

●ソーシャルクリエイティブ研究所研究報告
18:30-19:30
創造性教育と「学びのデザイン」について
山田 亮(北海道教育大学)×伊勢 壮太(RCSC客員研究員)×長谷川 敦士(RCSC)

【11月29日(土)】

●基調講演「〈誰〉のための〈参加〉?〈何〉のための〈参加〉?」&パネルディスカッション
11:00-12:30
ゲスト:森 一貴(東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科専任講師/シェアハウス家主)
人々が集い、新たな関係と協働が生まれる参加型デザインを専門とする。福井県鯖江市を拠点に、私たちでつくる祭典「さばえまつり」、越前鯖江の産業観光イベント「RENEW」、行政とのサービスデザインなど、多様なプロジェクトを手掛ける。共訳書にエツィオ・マンズィーニ『ここちよい近さがまちを変える』など。フィンランド・アールト大学デザイン修士。

比嘉 夏子(合同会社メッシュワーク共同代表/山梨県立大学特任准教授/一般社団法人みつかる+わかる理事)
京都大学研究員、北陸先端科学技術大学院大学助教を経て、アカデミアとビジネスの知を架橋すべくメッシュワークを創設。人類学的なアプローチと認識のプロセスを多様な現場に取り込むことで、よりきめ細かな他者理解の方法を模索し、多くの人々に拓かれた社会の実現を実践的に目指す。著書に『贈与とふるまいの人類学―トンガ王国の〈経済〉実践』(単著、京都大学学術出版会)『地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場』(共編著、ナカニシヤ出版)などがある。

パネルディスカッション
若杉 浩一(RCSC)× 井上 岳一(日本総研)

●Convivial Design Forum(自律協生スタジオ研究成果報告)
13:00-14:00
自律協生の地域づくりと参加のデザイン
若杉 浩一(RCSC)×井上 岳一(日本総研)

●ソーシャルクリエイティブ研究所研究報告
14:30-15:30
・つづくつながる未来のデザイン
岩嵜 博論(RCSC)

16:00-17:00
・ディスレクシアの社会モデルデザインについて
石戸 奈々子(慶應義塾大学)×長谷川 敦士(RCSC)

17:30-18:00
●産学超連携報告
吉野 正則(北海道大学)×長谷川 敦士(RCSC)×齊木 大(日本総研)

●クロージングトーク:参加型の未来を展望する
18:30-19:30
若杉 浩一(RCSC)×丸山 幸伸(RCSC)×長谷川 敦士(RCSC)
×河野 通義(武蔵野美術大学)
×松岡 靖晃(日本総研)×齊木 大(日本総研)×井上 岳一(日本総研)

(2024年度のIchigaya Innovation Daysの様子)

3.日本総研の研究と実践の紹介(6F)

「耳をすませ、今と未来のあいだを歩もう。」というサブテーマを設け、日本総研が重視する「参加型の未来」の視点に立った以下の取り組みや、それに携わる研究員をご紹介します。
地域など現場の声に耳をすませて課題認識やアイデアを膨らませ、解決に向けたアプローチを共に考える機会としてお役立ていただければ幸いです。

<展示予定のプログラム概要>

■テーマ(1)自分の心の声と向き合う世界
子どもから高齢者まで、それぞれのライフステージに応じて自分の「生」を自ら選び、決定し、それを実践する社会の仕組みの構築を目指す取り組みです。
キーワード: #子どもの社会体験 #進路選択 #身じまい #AIとの対話

■テーマ(2)聞こえづらい声もすくい上げる世界
社会や職場において、なおざりにされがちな子どもや地方のような「小さな声」に注目し、エンパワーメントするとともに、その声を反映する仕組みづくりを目指す取り組みです。
キーワード: #子どもの権利 #生活者の行動変容 #過疎地のインフラ再構築 #発達障害 #キャリア・プラトー

■テーマ(3)自然の声を想像し、社会に反映する世界
日本が有する国際的に見ても充実した自然資本を活かし、目の前の経済活動だけでなく、将来にわたる持続可能な姿を描き、社会・文化的な価値の波及を目指す取り組みです。
キーワード: #農業 #サーキュラーエコノミー #バイオマス由来CO2 #治水と利水

■挑戦と意思決定の裏側
日本総研が独自に築いてきた社会的価値創出のフレームワークや、コーポレート部門を含む組織間連携をどのように進めているかのリアルを紹介します。
キーワード: #B Corp #フィランソロピー

<6F展示内容>
https://www.jri.co.jp/column/opinion/detail/16119/

※現時点での予定であり、当日変更となる場合がございます

 

4.RCSC連携研究員・客員研究員パネル展示(5F)

<展示研究テーマ>
●神奈川県真鶴町『美の基準』30周年の「語り」の質的分析
川西 俊之
●刑務所におけるデザイン教育を通じた再犯抑止
塗木 拓朗
●二方向性形状記憶合金を用いた可逆的形状変化インタフェースの提案
ロ テンセキ
●コミュニケーションツールとしてのピアノとその外装に関する提案
木村 映美
●主体生成哲学──「仲良くなる」を通じた関係性デザインの理論と実践
新井 佑
●芸術・創作活動などにおける宇宙環境利用について
ムン ソヨン
●モノづくりのハードルと主体性の展開—大田区町工場の事例—
伊佐 百加

<連携研究員・客員研究員トークセッション>
11月28日(金)16:30-17:00
●主体生成哲学──「仲良くなる」を通じた関係性デザインの理論と実践
新井 佑

11月28日(金)18:00-18:30
●コミュニケーションツールとしてのピアノとその外装に関する提案
木村 映美

11月29日(土)12:30-13:00
●刑務所におけるデザイン教育を通じた再犯防止
塗木 拓朗

5.懇親会(1F)

11月28日のトークセッション終了後には、MUJIcom武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで、どなたでもご参加いただける懇親会を開催します。トークセッションの登壇者、武蔵野美術大学や日本総研の関係者と交流いただけます。

会費:一般の方/2,000円、学生の方/1,000円

(懇親会は参加人数に限りがございます。上限に達し次第、受付終了となりますので予めご了承ください。)

ソーシャルクリエイティブ研究所 若杉所長よりコメント

本学市ヶ谷キャンパスで行われる研究と実践と創造の祭典「Ichigaya Innovation Days 2025」(通称:IID)。2025年度のテーマは「参加型の未来」です。
今、あらゆる分野で、市民や非専門家や当事者等を意思決定に参加させることの重要性が叫ばれています。まだ見ぬ存在や人間以外の存在を参加させることの必要性までもが語られます。
一方で、参加の方法については、まだまだ研究も実践も少なく、方法論は確立されていません。ムサビと日本総研は共同で、或いはそれぞれのプロジェクトで、様々な参加型のありようを研究、実践、創造してきました。IIDでは、その試行錯誤の一端を披露します。皆さんとの対話を通じて、参加型の未来を共に創造してゆきましょう。