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2023.02.24

政策のためのデザインの現在形 武蔵野美術大学・日本総合研究所共同研究成果報告会

武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所と株式会社日本総合研究所は「政策のためのデザインアプローチ」の共同研究を行っています。

少子化やテクノロジーの進展など社会環境の大きな変化を背景に、行政が向き合う課題も複雑化し、画一的な政策を効率的に供給する従前の行政手法ではそれらの課題に適切に応え続けることが困難となっています。

そうした中、海外の公共・行政機関を中心に、人間中心起点の考え方を基盤とするデザインアプローチを取り入れる動きが始まっています。公共領域においてデザインアプローチが活用されることで、市民起点の政策や公共サービスのあり方が議論されています。

日本でも、経済産業省を中心に行政にデザインアプローチを取り入れるJAPAN+Dの動きが始まったり、福井県や佐賀県といった自治体でも行政にデザインアプローチを取り入れる動きが始まっています。

武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所と日本総合研究所は、政策のためのデザインをテーマにこれまで国内外のフィールドで調査研究と実践を行ってきました。本イベントでは、これらの取組の成果の一部をご紹介し、登壇者と参加者のディスカッションを通じて、政策のための現在形と可能性を探ります。

日時
2023年3月16日(木)18:30-20:30(18:15開場)
場所
武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 5F講義室
主催
武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
協力
株式会社日本総合研究所
参加費
一般 現地参加 1000円、学生 無料(いずれもPeatix事前申込が必要となります)
お申し込み
Peatixよりお申し込みください
政策のためのデザインの現在形
配信
下記の配信用URLからご自由にご覧ください。(事前申込不要)
政策のためのデザインの現在形(YouTube Live)
プログラム
18:30-18:40 イントロダクション

18:40-18:55 政策のためのデザインの現在形
      (武蔵野美術大学 岩嵜博論) 

18:55-19:15 基礎自治体職員におけるデザイン手法に関するアンケート調査
      (日本総合研究所 水嶋輝元)

19:15-19:35 フィンランドにおける政策のためのデザイン
      (Aalto大学修士課程/武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員 森一貴<オンライン登壇>)

19:35-19:55 鹿児島県西之表市戦略プロジェクトにおける実践
      (西之表市企画課 久留康平、武蔵野美術大学 修士課程 五十嵐悠)

19:55-20:30 パネルディスカッション
      (経済産業省 原川宙、長浜カイコー 中山郁英、日本総合研究所 辻本綾香、武蔵野美術大学 岩嵜博論)​​

登壇者プロフィール
岩嵜博論(武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科 教授)
リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂においてマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年より武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任し、ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行っている。イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了、京都大学経営管理大学院博士後期課程修了、博士(経営科学)。

水嶋輝元(株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 マネジャー/デザインストラテジスト)
ロンドン芸術大学卒業、慶應義塾大学大学院修了後、株式会社日建設計にて国内外の都市開発・都市デザイン業務に従事。その後、日本総研に入社し企業や官公庁向けのリサーチ、コンサルティング業務を行う。事業開発における戦略とデザインの橋渡し、および先端技術と社会課題の掛け合わせを行い、計画立案や組織内での実行を促すプロトタイプ作成等を支援する。研究・専門分野はデザイン思考、Web3.0(ブロックチェーン)等。

森一貴(Aalto大学修士課程/武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員 )
プロジェクトマネージャー 山形県出身。東京大学卒業後、アビームコンサルティングでの勤務および福井県鯖江市での活動を経て、現在フィンランド・アアルト大学Collaborative and Industrial Design修士プログラム在籍。Design for Social Innovation論に立脚しつつ、人々が関係しあいながら、まちに変容が生まれていくためのデザインを探究する。鯖江市にてシェアハウスを運営。職人に出会い、ものづくりを知る、福井のものづくりの祭典「RENEW」元事務局長。半年間家賃無料でゆるく住んでみる「ゆるい移住全国版」プロデューサー。

久留康平(西之表市企画課 主査​​)
2011年西之表市入庁。特産品振興や大学連携など経験した後、鹿児島県庁に出向。出向中は、鹿児島県全体の観光振興について取り組む。令和3年4月から現所属。総合計画の作成や行政評価など事業の進捗管理を行う。

五十嵐悠(武蔵野美術大学 修士課程/東京大学 総括プロジェクト機構「プラチナ社会」総括寄付講座 学術専門職員)
出版関連企業を経て、2015年から3年間種子島に居住し、地域おこし協力隊として、大学連携業務に携わる。現在は東京大学にて、JST COI-NEXT「ビヨンド・“ゼロカーボン” を目指す “Co-JUNKAN” プラットフォーム」研究拠点などで産学官連携に取り組む。業務経験から、産学官連携の方法論としてのデザイン、特に身近で協働していた行政分野に関心を持つ。2021年、デザインのバックグラウンドを持っていなかったが、武蔵野美術大学造形構想研究科に社会人大学院生として入学する。

原川 宙(経済産業省デザイン政策室 室長補佐)
民間企業でデザイン業務に従事後、2012年に経済産業省特許庁入庁。意匠審査官として産業機器や民生機器、内装等の企業ブランディングの核となる数々の意匠審査等を担当し、2021年7月から現職。100年以上にわたる日本国のデザイン政策の変遷や世界各国におけるデザイン政策の調査研究等を担当。現在は、数少ない美大卒官僚として、デザインや意匠審査官の知見・経験を活かし、これからのデザイン政策を考える研究会を主宰。最近の悩みは、デザイン畑以外の人にデザインの魅力や価値がなかなか伝わらないこと。趣味は、今年で6歳となる愛息と遊ぶこと。東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科卒。

中山郁英(長浜カイコー/合同会社kei-fu プロジェクトマネージャー)
滋賀県長浜市生まれ。大学卒業後、トヨタ自動車、コンサルティング会社、東京大学 i.schoolスタッフを経て、2017年より活動拠点を長浜市に移す。合同会社kei-fu(ケイフー)プロジェクトマネージャーとして主に行政や歴史ある組織と協働し、近年は長浜市が新たに設置したデザインセンター「長浜カイコー」の企画運営に携わる。並行し京都工芸繊維大学大学院博士後期課程にて「行政とデザイン」をテーマに研究、本年度修了予定。総務省地域力創造アドバイザー。社会教育士。滋賀大学非常勤講師。

辻本綾香(株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 都市・モビリティ デザイングループ マネジャー)
Oxford Brookes University 空間計画学/アーバンデザイン専攻を修了後、コミュニティデザインの経験を経て日本総合研究所に入社。都市計画・都市開発分野において、主に自治体向けアドバイザリーとして官民連携事業に関する計画立案や事業化支援の他、中央省庁向けの政策立案に向けた調査事業、民間企業向け策定や提案書作成支援等に多数従事。専門テーマは、イノベーションエコシステム、スマートシティ、観光まちづくり、諸外国の官民連携政策/制度など。